阿蘇市 波野の乳の木(2022年)

2022年11月10日   阿蘇市 波野の乳の木(2022年)
 名前の通り樹乳(気根)が大人の背丈以上に伸びているのを見られるのが特徴の銀杏です。例年は黄葉するのが遅いのですが、なぜか今年は葉が既にだいぶ散り少なかったです。樹勢に問題が無ければ良いのですが。
乳の木 (イチョウ) ふるさと熊本の樹木  昭和五十六年三月十二日登録
 この樹には次のような伝説があります。
 その昔、乳が出ず赤ん坊が痩せてしまい、困っている母親がありました。その母親の家はお金持ちで、財産を惜しまず様々な手を尽くしましたが、乳が出なかったのです。ある日、その母親は白ひげのおじいさんに出会い、乳が出ずに困っていることを話しました。おじいさんは、そのとき通りかかった貧しくも心のやさしいおばあさんに小さな木の実を渡してから、母親にこう言いました。財産を持っていても、あなたのように自分のためだけにしかそれを使うことができない人は幸せではない、あのおばあさんのように貧しくても人への温かい心をもつ人こそが幸福であると。
 その母親は、今まで自分だけよければよいと思い、世の貧しい人、かわいそうな人のことを考えていなかったことに気づき悔いました。その母親の心を理解したおじいさんは、さっきの貧しいおばあさんに渡した木の実が神様からの授かりもので、その母親のように私心を捨てた人はその木の実で救われることを教え、おばあさんから譲ってもらうよう勧めました。母親はおばあさんを追いかけ、木の実を譲ってもらうよう頼みましたが、心のやさしいおばあさんは、出会った貧しい少年にその木の実を譲ってしまっていました。しかし、やはり心のやさしいその少年は、事情を知って、何の見返りも求めずその木の実を母親に譲りました。木の実を譲ってもらった母親は不思議と乳が出るようになり、おかげで赤ん坊はすくすくと育ちました。その後、母親は貧しい人々を助けたり、親のいない子どもたちを育てたりして世のために尽くし、もらった木の実をあの白ひげのおじいさんが立っていた場所に植えました。それが育ったのがこの樹と伝えられています。      家入規生編「くさはらの里 阿蘇」より)』

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chichinoki22111003.JPG名前の通り背丈以上に伸びた気根(樹乳)
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chichinoki22111005.JPG樹下にある馬頭観音
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chichinoki22111004.JPGドウダンツツジも綺麗に紅葉していました。
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場 所


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